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『森林異変』 田中敦夫 著 読書ノート

☆ 国産材時代の幕開けになる?
林学科卒業の森林ジャーナリストによる本
「むしろ室町時代から江戸時代に掛けて、森林の過度な利用が行われ・・・江戸時代は木材の調達だけでなく、エネルギー源として酷使された。・・・太平洋戦争後、ようやく国を上げての大造林が行われた。・・・そのおかげで今や日本の国土は、有史以後もっとも森林面積は多い。・・・しかしせっかく植え育てた森林に人の手が入らなくなったのだ。人工林だけではない。里山の雑木林も、これまでの薪や木炭用、あるいは肥料用に伐採・刈り取られることで更新されていたが、・・・管理が放棄されるようになった。手の入らない森林は、林内が暗くなり、次の世代が育たず森林の生態系が変わってしまう。・・・地表部分に草が生えないため雨による土壌流失が起きている」  「2005年より急反転上昇した木材自給率。 合板・集成材の素材の国産材割合が2002年6%が2008年では54%になっている。 しかし現実に山村を訪ねても、明るさは見られない。」   「不合理なビジネス慣行だらけの木材業界」 「美しい役物に活路を見出す」 「木材の産地偽装問題」 「囲い込みと補助金が没落招く・・・幸か不幸か、大半の山主は木材業者に囲い込まれており、自分で出荷先を探す発想はなかった。伐採搬出を請け負う森林組合や民間の業者は、地元の市場以外に出荷しょうとしなかった。・・・森林組合は、本来は組合員の山林を管理するのが目的なのに、公共事業と補助金申請業務に頼むようになる・・」 「プレカットを推進したハウスメーカー」「外材を用いたプレカット工法」・・・プレカットでは木材の乾燥が必要だった。「ところが国産材は、必要な種類も量も揃わない。・・大量安定供給も難しい。求められる品質、強度、形状安定性に必要な乾燥材の供給は増えず、大半がグリーン材(未乾燥材)だった。・・・最大の責任は、時流の移り変わりと世の中のニーズの変化に対応できなかった林業界と国産木材業界にある・・」  そして今は変わってきている
第二章『森が変わる、林業が変わる』 ①.国産材時代の幕開けなるか ②.合板業界、国産材にシフトするーイ・合板業界が間伐材を活用 ロ・林野庁の『新流通・加工システム』登場 ③.巨大製材工場と新生産システム イ・日本最大の国産材製材所・協和木材 ロ・トーセングループの母船式木流システム―「国産材の問題点だった安定供給と品質管理、そしてコスト管理を徹底することで活路を開いたのである。」 ④.日吉町森林組合の挑戦 イ・森林整備をすすめる『森林プラン』 ロ・組織と意識の改革が森林組合を変える ⑤.機械化による大増産時代 イ・驚異的な生産性を誇る八木木材 ロ・『林業は儲かる』への転換  
 第三章『混迷する森の現場・街の現場    「どうやら国産材時代が到来したようだ。・・・外材に頼ってきた合板・集成材、製材業界は、日本の森に木材資源を求め始めた。国も『新流通・加工システム』や『新生産システム』などの施策で、国産材の使用を促した。工場の規模を拡大し、国産材の弱点だった乾燥や製材寸法、そして安定供給などを前進させた。・・・ところが山村地域は、経済的に好転していない。なぜなら山にお金が還元されていないからだ。大規模化で達成できることはあるが、同時に小回りが利かなくなり、多様な目的に応えられなく部分もある。にもかかわらず現在進行しているのは、小規模な製材所や伐採搬出業者の駆逐である。それが山村経済に与える影響は少なくないだろう。     国産材時代でも木材価格は上がらない。それは採算に合わない『林業を打ち止めにするための伐採』が行われているのと、需給を考えない「補助金を使ってコストを無視した伐採は、だぶついた市場にさらに値下げ圧力をかけている。」 売り上げを確保する為、過剰伐採になりかねない。・・・日本の森林面積の統計では、これらの伐採跡地も森林にカウントしている。・・・『林業栄えて、山村滅ぶ』恐れを非常に感じるのである」   「バイオマス・エネルギーが林業を活性化するのではなく、活性化した林業を下支えするのがバイオマス・エネルギー利用なのである。」
「政権交代後は『森林・林業再生プラン』が作成された。そして2020年に木材自給率50%以上という目標を掲げた。これは今後の林業界に、大きな変化をもたらすだろう。」
「今、必要なのは、『大林業』(森と木に関わるトータルな世界を名づけた)の流れを再び紡ぎ直すことである。その手立てとして、大きな断裂点である『森づくり(伐採―再造林)』と『街づくり(製材―建築)』の部分をしっかりつなぐことでことを訴えたい。・・・林業は建築と密に結びつくことで、エンドユーザーの負担を増やさずに山元への還元を増やす道を模索してほしい。・・・」  
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【山好き、旅好きの団塊世代日記】 当ブログは2007/1/29に運営開始いたしました!





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プロフィール

高田 学

Author:高田 学
少年時代は海と戯れ鎌倉育ち、故郷を離れ北海道で学業。その後東京にて工務店経営。
環境(省エネ)には特に詳しい。廃業後自由人。

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③ 旅や山行での報告感想  
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