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「2012年 資本主義経済 大清算の年になる」浜 矩子・高橋乗宣 著 読書ノート

「つまり、先進国はいずれも『高債務・低成長』という袋小路に陥ってしまっているのだ。一時的な財政支出によって経済成長をうながす、という目論見はもろくも崩れた格好である。税収が伸び悩む中で、国債発行の残高と毎年の利払いだけが増えてゆき、債務の比率は拡大していった。そこを今回のソブリン・ショックが襲ったのだ。」

日本の状況「世界最大の債権国であるということと、国債の大半が自国で消化されているということで混乱は回避されているが、財政が危機的状況にあることに変わりがない。
消費税を増税して財政再建を図るべきだという論者と経済成長による税金の増収で財政が改善するという論者とが存在するが、どちらにしても1000兆円規模の借金を背負った今では焼け石に水かもしれない。」
「米国の財政は事実上破綻している。膨大な借金を抱えながら、基軸通貨という立場をいかし、海外から資本を取り込んで帳尻をあわせてきたが、このサイクルが限界にきたのは明らかだ。」
「これらの国々は、(先進各国)資本主義の枠組みの中で、不況時には政府が市場介入し、需要を作り出してきた。
ケインズ的な政策展開を取り入れ、政府の借金で景気を刺激し、国民経済を刺激し、国民経済を拡大させてきたのである。
…ケイジアンポリシーは破綻した。政府が積極的に需要を増やしていく時代は、ついに終わったのだ。
さりとて、新しい時代を引っ張る経済政策は見えてこない。
… 手本を失った世界は、これから深刻な混乱の時代に突入する。この先何が待ち受けているのか、だれにも見通すことができない。暗黒の時代が待っている…」
「ところが、2008年のリーマン・ショック救済では、国家が大盤振る舞いをしたにもかかわらず、景気回復は不十分なものにとどまった。国際化された経済のもとでは、投入された財政資金がすべて直接米国内の企業や個人を潤すのではなく、よりリターンの大きい新興国の株や債券市場、そして金や食料といった商品市場など、投機的な資金として世界中に流れ出していったためだ。…経済がグローバル化している状況で、国家がいくらカネをつぎ込んでもそれは高成長・高収益を生む新興国へ流れ込み、自国の景気や雇用が改善されるためには使われないからだ。」

世界同時金融危機から世界同時財政危機へ となる。

「財政は相変わらず国民国家単位の経済に依存して税収を上げ、国民国家経済のために歳出を行っている。その一方で、税収を大きく左右する経済の方は、今やグローバル化の流れですっかり底抜けになってしまった。ある国の税金が高いと思えば、他の国に拠点を移すことも簡単にできてしまう。資本も生産も、場合によっては労働力さえ国境を超えることは簡単だ。…(これでは)財政政策に、有効な効果を期待できるのかは大いに疑問である。」
恐慌には資本主義の清算作用がある。「行われるべき清算が行われず、ガス抜きがなされないまま、マグマのように溜まった清算のパワーがいよいよ抑えきれなくなって地表に噴き出そうとしているのだ。…米国経済の規模も半分にならないと、世界経済の歪みを是正し清算することはできないと考えてきた…ドル暴落で1ドル50円時代が始まる…」
「どの国も喫緊の課題は財政再建だ。財政再建への道筋をつけないと国債の格付けを維持することは難しい。かといって、景気悪化の現状では、市場原理に任せるだけでは税収も増えない。かといって歳出カットや増税を行うと景気や雇用を悪化させてしまう。まさに八方ふさがりの状態なのだ。…いずれにせよ、もはや資本主義そのものが清算過程に入ったのは事実である。問題は、どの程度、速度を落とし、暴発のパワーを小さくできるかだろう。」
「一方で、金融大緩和が絶え間なく生み出す余剰資金は、資源や食料に流れて国際商品価格の高騰をもたらす。そして、新興諸国になだれ込んではバブルの種をまき散らす。主要先進国が軒並みデフレ退治に苦悶する中で、一方では資源インフレの熱風が吹き荒れる。この奇異な状況をもたらしているのが、カネの動きに国境なきグローバル時代の経済力学だ。…それでも彼らにやれることは金融大緩和をおいてほかにない。…効くわけないけどこれしかない。むなしい…。」 「現状では、米国が自国経済の実態改善を目指してドルを供給すればするほど、そのことが地球経済全体のバランスを突き崩していく構図になっている。…ドルの基軸性低下は議論の余地がなくなりつつある。」
「だが、今や米国を出たカネは米国に還流しない。それを可能にするためには、高金利で資金を米国に引き寄せなければだめだ。あるいはカネ余りの債権国日本から行く場を失った資金が流れ込んでこなければだめだ。前者がレーガノミックスの力学、後者がキャリートレードに乗る隠れ基軸通貨円の漂流の力学だ。」
「日本国の借金は1000兆円の大台が目前に迫っている。ざっとGDPの2倍の規模である。こんな先進国は、ほかにない。…きわめていびつなのだ。日本の税収は40兆円にも満たない。…一般会計総額は92.4兆円だ。税収との差額はべらぼうで… 直接税では限界があり、間接税の増税しかないだろう。」

小泉・竹中コンビの米国の猿まね『自由競争が何より大事』の格差社会の定着政策のおかげで
「1995年度88万人だった生活保護受給者数はどんどん膨張し、いまや大震災もあり200万人の大台超えは確実だ。」「まずは累進税率の引き上げからはじめよ」
「単純な消費税引き上げは弱者いじめ」
「日本経済の一見すれば誠に惨めな状況にもかかわらず、円がなかなかの資産価値を持つ通貨として世界に認知されている、それは端的に言えば、円が世界最大の債権国の通貨であるからだ。…日本は債権大国だ。米国は借金大国である。借金大国の通貨が世界に出回り過ぎれば、それだけ通貨が無価値化することに伴うリスクが世界に拡散する。…グローバル時代の今、かつてのような基軸通貨の存在は成り立たない。…古典的基軸通貨の時代は終わった。…円との関係を軸に、グローバルなスケールでの経済的変位が進む。決定的な場面での舞台回しを担う陰の存在。自己主張をしない割りに世の中を振り回す力を秘めている。」

―円は『隠れ機軸通貨』と言える。

「新興東アジア諸国の高成長快進撃は、日本からの投資資金の」お蔭であり、「日本のプラザ合意対応の意図せざる副産物だ。」そして「バブル崩壊のショックとそれに対応する金融緩和によって、それまでの円高が一転して円安に向かった。日本国内は金余りなのに投資機会が見当たらない。そこで行き場を失ったジャパンマネーは出稼ぎに出る。…ヘッジファドによるグローバル・キャリートレードだった。利ざや稼ぎの投機的短期資金だ」

そして東アジアは必然的にバブルになり、ふせぎようもなくバブルがはじけて、投機資金は逆流し、アジア通貨危機がおこった。ヘッジファンドは「しょせん仲介者だ。彼らを躍らせ、かれらの欲得追求に材料を与えたのは、あくまでジャパンマネーだ。」 投資銀行等は「M&A(企業の合併・買収)でも、株主価値を錦の御旗に、必要もない業界再編シナリオを描き…カジノ金融が世界に広がり、無理に経済成長がつくり上げられた。…本来の経済規模と不釣合いの規模の資金が出回っていたことに気づかされ、リーマン・ショックに突入であった。元をたどればここでも円ジャパンマネーがことの発端をつくりだしていた。」

同じこと、何度も著者は言ってますね。結局、適切な現在の経済への処方箋はないようですね。大手術だけ?どんな手術?わかりません!てことですか?
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【山好き、旅好きの団塊世代日記】 当ブログは2007/1/29に運営開始いたしました!





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プロフィール

高田 学

Author:高田 学
少年時代は海と戯れ鎌倉育ち、故郷を離れ北海道で学業。その後東京にて工務店経営。
環境(省エネ)には特に詳しい。廃業後自由人。

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