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「3.11 死に神に突き飛ばされる」 加藤典洋 著 岩波書店 読書ノート

「立花 隆といえば、過疎地への原発誘致を利権化することに道をひらいた電源三法(電源開発促進法、電源開発促進対策特別会計法、発電用施設周辺地域整備法)を制定し、柏崎刈羽原発の誘致にも関与した田中角栄の汚職構造を取り上げ、退陣まで追い込んだこの国随一のジャーナリストである。」が
「…今回の福島第一の原発事故を契機に、放射能、『絶対安全』の東芝の次世代小型原発による世界市場制覇をめざせという立花隆…原発推進の立場である。」…筑紫哲也が生きていれば脱原発を主張しただろう…立花隆とは亀裂を走らしていたと思われる…」

放射能の恐ろしさ 「…放射能が生物のDNAを破壊するということの意味がわかった気がした。放射能の前で、DNAを持つものは、ひとしなみになる。人間と動物と昆虫が同じなだけでない。それと植物、苔、プランクトン、すべてが「仲間」であることが教えられる。…自然破壊、それも無差別の、有機物一般、生あるすべてのものへの死への攻撃への畏怖、懸念に…」

今回の原発の報道は「メディアの当事者たちがこぞって、第二次世界大戦時の、国策にべったりの、批判精神を欠いた報道に終始したことの反省をなんら戦後の活動に生かしてこなかったという事実である」(注より)「…そこに一般市民が居住を認められ、市役所が機能し、生活が行われているのである。そういう地域までもが、報道機関内では『立ち入り禁止』地域となっていて、そのことへの疑問と見直しの機運が、報道機関から出てこない。…報道機関の記者たちの労組との取材に関わる取り決めから来ている事情がわかった。」 ☆何だこれ!ふざけるな!ジャーナリスト止めちまえ! 昭和40年代のソ連共産党の核実験は正義で良いけど米国の核実験はは帝国主義だからいけないと言って羊のごとく無見識にしたがった人達を思い出したよ!

「…この『核の平和利用』政策は、いまの目から見れば、ソ連の49年の原爆実験成功、53年8月の水爆実験成功に脅威を感じ、これを『牽制すると同時に、西側同盟諸国に核燃料と核エネルギー技術を提供することで各国を米国政府と資本の支配下に深く取り込むこと』をめざす米国の核戦略の一環であったことが明らかである。…しかし…日本原水爆被害者団体協議会結成大会の大会宣言文で宣言者(森瀧次郎)は『原子力平和利用』を『積極的に支持するまでにな』っているが、…ここで被爆者たちは、『核兵器は死滅につながるが、原子力は生命につながる』という『二律背反論』に『埋没』しているのだろうか。…もしこの核の『悪』に対し、人類が、私たちが、これを『平和利用』することで、『原子力の平和利用』を対置することができるとしたら、どうか。それを柱に、被爆者の医療体制の完備、やがては原爆の完全廃止までしっかりと事態を進められるなら、はじめて、犠牲者の霊も少しは浮かばれるのではないか。その意味で自分は『原子力の平和利用』の実現を―被爆者の救済、原爆の廃止とともに―希求する。このような『祈念のすがた』がうまれたとしても、それは不思議ではない。…どうすれば、原爆で死んだ―無辜の人々の無念が、晴らされるのか、…被爆者をそう祈念せざるをえないところに追い込んだこの世界の一員である私たちの関与と責任がある。」
「寺島実郎、立花隆が現在の日本の原子力平和利用のあり方を基本的に、そのまま受け入れそこに未来があると見ているに対し(現代の最先端の原発に換えれば、今後も稼動できるはずと判断している)、村上春樹が、それに未来がないと考え、被爆者の『祈念のかたち』をいま生かそうとするなら、それは『原子力発電に代わる安全でクリーンなエネルギー源』の開発実現化と、言い換えられなければならないと、考えているのである。…村上は『戦後長いあいだ我々が抱き続けてきた核に対する拒否感』が社会の『効率』至上主義のために消え去り、気がついたら、『地震の多い狭い島国の日本が、世界で三番目に原発の多い国』になっていた、と言い、今回の事故は、『日本が長年にわたって誇ってきた《技術力》神話の崩壊』であると同時に『我々日本人の倫理の規範の敗北』でもあったと、結論している。その背景にあるのは、同じく被爆者の『平和利用』に向けられた祈念への理解であろうが、村上において理解は、そういう祈念へと追いやられた被爆者の生の条件にまで、届いている。」

「これまでの推移は、日本の原子力の平和利用が、方法を違えていれば、被爆者たちの祈念のかたちに近づくことも、万が一には可能であったかもしれないのに、当初から米国主導の導入に甘んじ、その目標に核燃料サイクルの確立というよからぬ意図を忍び込ませたばかりに、経済、技術的な合理性を失い、民主主義的な手続きから逃げ隠れする秘密主義的な体質に染まり、内部告発に聞く耳を持たず、安全管理も疎漏をきわめる結果となっていったことを、よく示している。今回の事故は、その結果、起こるべきして起こったと、言うほかないのである。」
「外務省内の外交政策企画委員会の文章『核兵器については、NPT(核拡散防止条約)に参加すると否とにかかわらず、当面かく核兵器は所持しない政策をとるが、核兵器製造の経済的・技術的ポテンシャルは常に保持するとともにこれに対する掣肘を受けないよう配慮する。』…日本の原子力平和利用における技術抑止政策の本質は、それが軍事使用である点にある。… 核燃料のサイクル=技術抑止が軍事使用であるとは、私のみならず、『当時の多数の政府関係者及び業界の一般的な考え方』でもあったということである。」

☆ ヒロシマ・ナガサキの原爆の結果が悲惨さがその責任が自然科学的(原子物理学的)に、思想的に、政治的に、その総括が、そして忘れっぽい国民が、等々を今回の福島原発から、この本によって考えさせられますね。広島・長崎30万人の死亡です。
                           24/01/22   田  學
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【山好き、旅好きの団塊世代日記】 当ブログは2007/1/29に運営開始いたしました!





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プロフィール

高田 学

Author:高田 学
少年時代は海と戯れ鎌倉育ち、故郷を離れ北海道で学業。その後東京にて工務店経営。
環境(省エネ)には特に詳しい。廃業後自由人。

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