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「そこに自分の考えはあるのか」吉田秀和

そこに自分の考えはあるのか』吉田秀和(音楽評論家)の遺言

NHKクローズアップ現代7/23 で放送された抜粋です。私と同じように感心した人がいました。
…  …
吉田秀和さん「今、私たちの目の前にいるのは骨とうとしてのホロヴィッツにほかならない。
この芸術は、かつては無類の名品だったろうが、今は最も控えめにいってもひびがが入っている。
それに一つや二つのひびではない。忌憚(きたん)なくいえば、この珍品には欠落があって、完全な形を残していない。」
熱狂に冷水を浴びせるような吉田さんのことば。音楽評論家の白石美雪さんは当時の衝撃が今も忘れられません。
白石美雪さん「神様ですからね、やっぱり音楽の世界の、ピアニストの中の。やっぱりそれを批判するっていう状況ではなかったと思いますよ。だから、びっくりした。」
このホロヴィッツについての評論は周囲に流されがちな日本人に自分の頭で判断することの大切さを再び印象づけました。
吉田秀和さん「私たち今日の日本人は『流行』に恐ろしく敏感になっている。何かがはやると誰も彼も同じことをしたがる。こんな具合に流行を前にした無条件降伏主義、大勢順応主義と過敏症を、これほど正直にさらけ出している国民は珍しいのではないかと、私は思う。」
日本人に、自立した精神の大切さを訴え続けた吉田さん。ところが人生の最晩年最悪の絶望と呼ぶ出来事が起こります。
想定外ということばを連発する人々の姿。まだ日本人にはみずから考える力が備わっていなかったのではないか。
「この国は病んでいる。」原稿に、かつてないことばがつづられました。
音楽之友社 田中基裕さん
「50年、60年やってきてやっぱり、日本人は前と同じだったっていうそういう絶望感。ずっとやってこられた仕事というのが結局、その何も変えられなかったっていう気持ちになったのではないかと思うんですよね。」
日本文化に尽くし続けた吉田さん。亡くなるその日まで、日本の行く末を案じていたといいます。

吉田さんの長女 清水眞佐子さん「時間がないっていうことを盛んに言ってましたね。残された時間が足りない。
やっぱり、みんながもう少しいろんなものの裏側を表ばかり見ないでこれが、やったとき何が裏にあるかっていうことをやっぱり日本人は考えないできたんじゃないかな。
前に進むことばかりで。だから、それは少し21世紀はそういう走り方じゃないものを学ばなきゃいけないっていうところに立っているんじゃないかっていうことを言ってましたね。」

☆ 超インテリの加藤周一さんを連想しました。音楽も好きでしたから。
無条件降伏主義というのは、始めて聞きました。すごいですね。これからオリンピックで無条件降伏ですね、世の中は!         24/07/25
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高田 学

Author:高田 学
少年時代は海と戯れ鎌倉育ち、故郷を離れ北海道で学業。その後東京にて工務店経営。
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