日米同盟の正体」-迷走する安全保障― 孫 崎 享 著 2009年3月 読書ノート24/09/12
孫崎さんの著書№2
外務省国際情報局長(スパイの元締め?)から防衛大学へ左遷? 現在68歳か
「本書は防衛大学校における筆者の危機管理の授業の総決算として執筆したものである。」
戦争への屁理屈「ジョージ・ポール国務次官曰く『ベトナム戦争に関連した任務にあった多くの者は北ベトナムへの爆撃を開始する為の口実を、何でもいいから探していた。…』」
「…いかに米国の意図に翻弄されるのを理解するために、…その後も米国は日本とソ連が接近(北方領土で)しないことを目指す。」
「…戦後その存在を脅かされた、そのときCIAが言う台詞がある。『戦後の日本を見てくれ、われわれの工作の傑作である。』」春名幹男 著 『秘密のファイル』で明らかにされている。
「…補給部門を民営化した後の産軍共同体には、戦争が必要となる。イラク戦争の強力な推進者であったチェイニー副大統領」を見れば解かる。
日本を米国の思うまま使うために「日本を国際舞台で使う方向へ ― 自民党内には、米国との良好な人的関係を作れなければ政治家として大成できないという意識が存在している。…経済界もビジネスとして交渉できる。唯一国益の概念を持ち出す官僚の存在だけが思うようにいかない。ここから米国は日本の官僚機構、特に経済官庁の排除に焦点を絞った。その後、日本のマスコミが、大蔵官僚への接待(ノーパンしゃぶしゃぶのこと高田記)に代表されるような官僚の腐敗摘発キャンペーンを張り、この腐敗は全ての官僚に共有されているとの印象を醸成し、官僚批判は社会の正義となった。」
日本外交はいつから変質したか? 「2005年10月に締結した『日米同盟; 未来のための変革と再編』への移行である。…安保条約が実質上、死文化しようとしている。」 「では日本の安全保障思想はどうか。戦後は圧倒的に欧州的である。国民の心情は力を超えて、法律と規則、国際協力の世界に移行している」ホント?著者は本来日本の外交姿勢を「日米同盟」で捻じ曲げられているというようだ。「…『日米同盟』は、単なる意思表明ではない。具体的実行の拠点を作った点で、他の合意と顕著に異なる。」 「1990年代に官邸で日米経済会議に出席した経済官庁の人間が、『そんなことをしても米国は喜ばない』という外務省員の発言を聞いて愕然としたという。われわれは日本の国益を論じているのではないか。どこから、米国が喜ぶか喜ばないかの価値判断が国益の上になったのだと憤りを覚えたと述べていた。しかしこの外務省員は正しかったのかもしれない。いまや彼の発言が日本の王道である。」米国の考えを官僚が勝手に忖度する。というやつですな。(高田記)
「米国はグローバル・スタンダードの採用という形で、かれらの価値観の受容と、日本的な仕組み、価値体系の放棄を求めた。その象徴的存在である官僚機構の崩壊を目指した。…各種審議会はあらかじめ設定された路線をきらびやかな肩書きのついた人々に是認してもらう舞台装置である。官僚組織を実質的に崩壊させれば、国家レベルの政策はまず出てこない。」
「かつて、日米交渉の最先端にいた官僚が次のように述懐した。『われわれが、ある案件で米国と戦っている、今回は自分たちの方に分がある、少なくとも互角だと思っている。すると突然官邸から『君、頑張るのはもう終わりにしてくれ』と後ろから矢が飛んでくる』…」
「米国と距離を保っていると見られた細川総理ですら、米国の意向に従って武村官房長を切った。これを契機に細川政権は互解していく。」
「世界各地で戦略を学ぶとき、クラウゼヴテッツの戦争論は必読書である。」
「キッシンジャーなどの議論で見てきたように、核攻撃を防ぐ最終的保障は、攻撃国が他の国を攻撃して得るメリットよりはるかに大きい被害をうけることである」
☆上記の二つ文をみると、著者は文官の戦争屋みたいですね!だって防大の教授だったんだもの。
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