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「いのちの思想家 安藤昌益」 石渡博明 著 読書ノート

〈はじめに〉より「・・安藤昌益は、いのちを支える食料生産者である農民の子として生まれ、いのちを預かる医師として生涯、いのちを見つめ、いのちを考えぬいた思想家です。昌益思想の根幹とも言える『自り然る自然(ヒトリシカルシゼン)』とはこの宇宙の全存在をいのちあるもの、有機的連関のもとに自己代謝しつつある一大生命体とみなした表現ですし、『直ら耕す直耕』とは、そうしたいのちの営みを擬人化・主体化した、農民の代弁者・昌益ならではの力強い表現です。もちろん昌益は、江戸時代中期に生きた人物ですから、現在の私達から見れば、おかしなことや不合理な点を数多く持ち合わせています。いっぽう、21世紀を生きる私達はと言えば、溢れんばかりの情報に追い付くことに汲々として、私達の存在の根拠である『自然』を自らの身体で感じ、自らの頭で考えることを奪われ、放棄しているかのように見えます。とりわけ3.11という未曾有の災難を経験・・・・」

安藤昌益の生涯― 秋田大館の少年期、京都での青年期は仏門から医学修業そして『儒学』と『医学』兼備えた医療の道へ、青森の壮年期弟子も増える。ふたたび大館での晩年、没後も受け継がれてきた『真営道医学』昌益の生涯の生業(ナリワイ)であった。
『不耕貪食』の徒としての釈迦を批判― 「『不耕貪食』(耕さず貪むさぼり食らう)の立場に釈迦が、王位を捨てて搾取をやめたとはいうものの、こんどは『不耕盗食』(耕さず盗み食らう)の寄生生活に入っただけです。」・・・仏教批判― 「昌益が仏門を離脱するきっかけともなった男女の性愛、夫婦の性愛を否定する反自然的な教義」・・ 仏教の『五戒』殺生・偸盗・邪淫・妄語・飲酒の教を見れば仏教の倒錯性がよくわかるという。家族を捨て出家とは殺人と同然、托鉢修行は人の労働の成果の盗み等々

『濡儒安先生』(昌益が儒学に傾倒していたときの名)から、徹底的な儒教批判へ― 「〔儒教の言う〕『聖人』の教えを受けたりしなくとも、人々は内なる生命力の発露、環境への適応力、家族の絆、村落共同体の絆によって営々と『平和で平等な』社会を築いてきたではないか、安らかに暮らしてきた(安食安衣)ではないか。・・国学者 本居宣長は、昌益と同じように儒教道徳を人間の本性に反した『漢意』(カナゴコロ)として斥け、日本古来の『神ながらの道』を称揚しました。」
昌益の自然哲学の真髄『互生活真』― 「誰もが知っている『五行』(木・火・土・金・水)が、この世界(自然)を構成し、この世界はいつ始まるともなく(無始無終)、自らの力で、生き生きと万物を生成し続けている(自り然る)というのです。・・昌益の平等論は画一論とは無縁で、個性・多様性の尊重と一体のものです。金子みすずが「みんなちがってみんないい」と謳った心と響き合う・・」
昌益『法世物語』の動物譚で身分制社会を風刺― 動物に話を例え、「下層のこうした極貧・極窮の人々の存在は、上に『栄耀・珍味・美服』する存在があるからだ、『不耕貪食』の者が『下々しもじもを掠め取』って贅沢三昧の暮らしをしているからだと批判し告発しています。」
「昌益が『自然直営道』を、『亡命を省みず』綴り、後世の私達のために書き遺してくれたように、『欲欲盗盗乱乱』とした弱肉強食の『文明』世界ではなく、つつましくはあっても、自然とともにある平和で平等な『自然活真』の未来社会を実現するためです。」
『吾れ、転に帰し、穀に休し、人に来る。幾幾として経歳すと雖も、誓って自然活真の世と為さん』
(吾死して、土に帰り、穀にになりまた人となる自然循環を繰り返す、誓って自然活真の世と為さん)

☆ 古本屋で仕入れていた「日本の名著19安藤昌益」で原文を読み始めています。著者である石渡博明さんの昌益への想い入れが強すぎて、自分なりに昌益の思想を噛みしめてみたいから。25/04/6記
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【山好き、旅好きの団塊世代日記】 当ブログは2007/1/29に運営開始いたしました!





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プロフィール

高田 学

Author:高田 学
少年時代は海と戯れ鎌倉育ち、故郷を離れ北海道で学業。その後東京にて工務店経営。
環境(省エネ)には特に詳しい。廃業後自由人。

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