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「表裏井上ひさし協奏曲」西舘好子 著 読書ノート 

表裏井上ひさし協奏曲」西舘好子 著 読書ノート    2014/10/16
―あんなにもつらく、楽しかった25年間―

『これだけは書いておかないと死ねないということがあると思うから』もの書きになりたかった理由
井上・好子の会話より
『どぼん……ここでこの主人公は奈落に行くのですよ』井上、『残酷じゃないの?』好子、「と言おうものなら、『それが大衆の怖さというものなのだ』と力説した。…つまり彼は『大衆に置いて行かれるインテリである自分』を自負していたのだ。…楽天地を求めて率先して仲間を引っ張っていく《十一ぴきのネコ》のにゃん太郎も、結局は組織や大衆につぶされる運命にある。それはそのままの井上さんの書く主人公像に投影されていた」
井上さんは取材に走るのではなく、資料を綿密に読み込み、想像力で虚構の世界にのめり込んでいくというタイプの作家であったことは、死ぬまで変わらなかったのでないだろうか。」
「戯曲は井上さんの生理によく合っている。寂しがり屋ですべてに疑心暗鬼な彼が、まずはペン一本で紙の上で多くの人間を踊らせる。その醍醐味を愉しんでいた。」
「《ひょっこりひょうたん島》は井上さんの原点で、以後のあらゆる作品はここから枝葉のようににょきにょき生えだし、生きた実になっていったのだ。」
「…それとなく孤児院での生活がつらかったろうと察しがついたので、触れたくなかったのだ。《四十一番目の少年》に当時のことがかかれているが、井上さんは当時のことを話したがらなかった。…
《握手》《四十一番目の少年》には、慰問団の一行にかわいそうなよい子を演じる子供達の姿が書かれている。彼らは哀れむ慈善家を気取る金持ちの一団を、子供心に哀れみ馬鹿にしていたというくだりがある」 「母親から養父のことを『お父さんと呼んであげて』と頼まれて、どうしても言えず、言った途端にドモリになったと自身のエッセイに書いている。暗い深い家族の歴史だ。」
「故郷への憎悪は愛情と背中合わせだった。かつての小松町(故郷)に遅筆堂文庫、生活者大学を設立し、…人間関係の氷解と故郷への思慕は、井上さんの贖罪の現れではなかろうか。」
「演劇は雑事の積み重ね、情熱と狂気を持った人が一丸となって創っていく産物だ」☆井上さんも狂気を持った人という…。
「『私達、本当は二人で劇団をやった方がいいのじゃないの』どこにも組み込まれず、組み込まず、そして誰も本当のことを井上さんに言わなくなった今だからこそ、自分の手で井上さんを守りたかった」☆そしてこまつ座を創設、しかし「…この頃から残酷な、人を思いやることを軽視する傾向が出てきた。いや、それは哀しさを隠した強がりだったのだ…」☆浮気・離婚の前兆か?「…家族すら犠牲になる・それでも井上さんにとっては、もはやどんな犠牲を払っても、書くこと以外の過ごし方は考えが及ばなくなっていたようだ。」「『奥さん申し訳ありません。もう今夜いただかないとアウトなのです。どうかお願いですから、二、三発殴られてもらいませんか』と深々と頭を下げる人(編集者)までいた。…今にして思えば、平和な風景を甘受できない寂しさに気づいて苛立っていたのだとよく分かる。唯一、私だけは味方であり、そこにすがろうとしていたという思いを私が理解していたら……。今となっては自分の未熟さに後悔する。」 この騒動の最中に書いていた戯曲《泣き虫なまいき石川啄木》-啄木の妻節子が浮気を疑われ、髪を切り詫びるという筋― 井上ひさしは好子に厳命する『この芝居を毎日目をこらして観ろ』
「愛情と憎しみ満載の二人の亀裂を思えば、本当は私は殺されてもよかったのかもしれないと考えることもある。しかしそれを打ち消すように、瞬間の殺意を感じたときの戦慄はなかなかぬぐい去れるものではなかった。…『僕の最大の欠点は、あなたという人を僕自身だとおもってしまったことでしたね』井上さんは優しく言った。」(離婚後のとき)
☆夫婦喧嘩で、いや井上さんのDVで病院にいくまで殴られて、いや実は好子さんも思い切りかじり返したりしたようですが、好子さんの浮気が本気になり、八歳下の西舘氏と結婚したのです。1986年です
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【山好き、旅好きの団塊世代日記】 当ブログは2007/1/29に運営開始いたしました!





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プロフィール

高田 学

Author:高田 学
少年時代は海と戯れ鎌倉育ち、故郷を離れ北海道で学業。その後東京にて工務店経営。
環境(省エネ)には特に詳しい。廃業後自由人。

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