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宮沢賢治に聞く」「 井上ひさし著   読書ノート

「あらゆる意味で、できるだけ自給自足せよ。それが成ってはじめて、他と共生できるのだよ。そうしないと、科学が、宗教が、労働が、あるいは芸能が独走して、ひどいことになってしまう、と賢治がそういっている気がしてなりません。」
「氷のような人間嫌い、だったからこそあれほど深く人間を愛することができた、と天沢退二郎が言ってます。」聖人扱いにして欲しくなくて、ざしき童子に賢治が出てきたという設定。
「啓蒙主義の臭みがしてならない、と啄木が賢治に言う」架空話
「初めのうちこそ『ゴム長も靴下もリヤカーも、いかにも宮沢家の坊ちゃんらしね』と笑っていられるのだが、……物々交換、勉強会、農作業服、花、食用トマト、幻灯会、レコードコンサート、農民劇団といった、彼がやりたいと思い、しかし十全にはやれなかったもののリストの列がじんわり涙でかすんでくるのだ。これからの百姓は、辛い農作業を、芸術でもやるように、たのしみながら誇らしくやらなければならない。そのために百姓はもっと勉強して賢くならなければならない……そういう賢治の祈りのようなものが、リストに込められている…」
「賢治は科学の進歩の限界を察知していた。…顕微鏡の下の世界から天体望遠鏡のかなたの世界までを、いかにもまっとうな科学者らしく冷静にひとまとめにして眺めていたのである」
「賢治は人間の営みのあわれさを乗りこえる手段をいくつか読者にのこしてくれたように筆者(井上ひさし)には思われる。・たとえば法華経による世界認識がそれで、一滴の水、1輪の花、一本の樹木のうちに全宇宙がそっくり写しとられている、と賢治は作品のいたるとこでささやいてくれる。」
花巻農学校教師時代― 一緒に考え、一緒に働く先生だった。精神歌や応援歌を作り、オペレッタも上演した。岩手山やイギリス海岸に生徒を引っ張っても行った。子供達のまわりを乱舞しながら、詩を書き、童話を書いていた青年教師。
羅須地人協会時代― 畑にトマトや草花を植え、自ら町に売りに行く。「…必要なのは、農民ひとりひとりの意識改革である。一人ひとりが考え方を変え、勉強して賢くなり、仲間と信じあうこと。それができれば農村は今日からでも『楽土』になる。…「自分を含めて、どうか人々が明るく生きていくことがてせきますように」という賢治の祈りは、この時期の彼の作品のいたるとこで溢れ帰ってり、その祈りが読む者を励ます。」
「ハイカラ好きの賢治、りっぱな詩や童話を書く賢治、啓蒙家の賢治、宗教者の賢治、まさに賢治は輝く多面体である。しかしその賢治も農民にはなりきれなかった。…粗食がからだを弱らせる、協会の活動を社会主義の変種と見て官憲の目が光りだす、まともな仕事につくようにと半ば強制的な父のたのみ、・最大の理由は、農民から協会が白い目でみられたことにあった。こうして協会の活動は足かけ三年で終わった。」
「賢治の結論は・少なくとも日本では、社会主義によって世直しはできない、やはり仏教である。…しかし時代の制約もあって賢治は敗北した。人はじぶんが生命をかけたことをやって失敗すると、体に来ます。・体を壊して・そこで『グラスコープドリの伝記』という作品で賢治は、お父さんをついに乗り越えるのです。」 ☆ 冷めて言えば、やっぱし死んでかよ?自己犠牲?

宮沢賢治作品と人 私的雑感

父への対抗、乗り越えたいために、家の宗派の浄土真宗でなく、日蓮宗を選んだ。のか?
自己犠牲はどこから出てきたか?親の影響と時代の影響?
貧農から搾り取っていた質屋やという家業の息子ということへの贖罪?
インテリに、はやり始めたキリスト教でなく仏教、いや日蓮宗は日本仏教で本仏教でなく、新興宗教の鎌倉仏教をえらんだ。そのなかでもっとも過激で排他的な日蓮宗を。折伏(シャクフク)する。
インテリには、新時代を切り拓く意気込みがあった、大正デモクラシーの時代にまじめに生き過ぎた男・宮沢賢治?
権力亡者ともいえる、満州謀略をし、力を蓄えてから、米国をやっつけて世界制覇を考えた、石原莞爾も同じ日蓮宗の「国柱会」で、その国柱会に賢治も入信した。尽くした。東北などの貧農を助けようという実体運動を伴った宗教で、2.26事件もからみ、戦争協力宗教という側面が強調され、賢治の評判にも悪影響してるとも、思われる。
度を過ぎた「妹思い」であったと言う感じをもつ評論家もいるのかな?
父を乗り越えようとして、結局父の庇護の元、亡くなっと、いえなくもない。・・・金持ちのボンボンが、農民のために、身を削って、星になっていった?・・・

賢治は「万象同帰」「万法流転」であり、「草木国土悉皆成仏」とはすこし違う「森羅万象」すべてお友達、成仏などせず、みんな生きてるんだ。ということか?

『農民芸樹概論』より
 世界がぜんたい幸福にならないうちは、個人の幸福はあり得ない
 世界に対する大いなる希願をまず起こせ
 強く正しく生活せよ 苦難を避けず直進せよ
 なべての悩みをたきぎと燃やし
 なべての心を心とせよ
 風とゆききし 雲からもエネルギーをとれ

『銀河鉄道の夜』より
 僕はあのさそりのように、ほんとうにみんなの幸いのためならば
 僕のからだなんか 百ぺん灼(や)いてもかまわない。
 …
『よだかの星』より
 ……
 そして、よだかの星は燃えつづけました。
 いまでも、まだ燃えています。 

賢治は死しても、明るいものを残し続けています、ということか。

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【山好き、旅好きの団塊世代日記】 当ブログは2007/1/29に運営開始いたしました!





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プロフィール

高田 学

Author:高田 学
少年時代は海と戯れ鎌倉育ち、故郷を離れ北海道で学業。その後東京にて工務店経営。
環境(省エネ)には特に詳しい。廃業後自由人。

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等で 皆様の役にたてたら良いなと思うブログを書いてまいります。

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