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「農山村は消滅しない」小田切徳美 著   読書ノート

◎表紙帯の言葉より―「地方消滅論が社会に衝撃を与えている。しかし農山村では、困難な状況にもかかわらず、住民自らが「地域づくり」に取り組み、持続的なものにしようとしている。共鳴する都市の若者の「田園回帰」も始まった。それは、都市再生のヒントとなるものである。農山村の実態に深く沈潜して、こうした動きの全貌を明らかにする。」
・増田レポートは特に地方に著しく大きな衝撃を与えている。その理由 ①特定の自治体を「消滅可能性都市」「消滅する市町村」として名指しした。それは根拠の薄いものではあるが、国民的関心を集めることには成功した。②「選択と集中」が「消滅可能性」を宣告された具体的な市町村とセットで語られるようになった。…増田レポートは「消滅可能性都市」の公表を媒介として、いつのまにか、特定の地域に対する撤退の勧めとして実質的に機能しはじめている。
・「市町村消滅」が言われることにより、「農村たたみ論」が強力に立ち上がり、他方では「諦め論」が農村の一部で生じている。そしてそれに乗じるように狡猾な「制度リセット論」(ショックドクトリン)が紛れ込むという三者が入り乱れた状況が、今各所で進んでいるのである。…だからこそ、今立ち返るべきは農山村の現実である。
・強靭な農山村集落…「超高齢化集落」の挑戦― 80歳を超える集落代表者が言う「住み続けるためには、先祖代々のすばらしい地域環境をいかに守っていくかが重要だ。子や孫に、この清流、そしてホタルやカジカがいる環境をしっかりつたえていきたい」…集落の強靭性と持続性の要因は、そこに住み続ける人々の集落に対する強い思いであった。そして、この持続性を担保するのが、他出した後継ぎ層のそんざいである。「世帯は極小化しても、家族は空間を超えて機能する」(徳野貞雄)と指摘する。・・・都市部に移住している農家出身の青壮年層のなかに、「ウィークエンドファーマー」土日に親元に帰り農業に従事する者がいる。☆土地に対しての保守性?
・他方で、集落には「臨界点」(消滅への)もある。その直接の引き金は、しばしば水害や地震などの自然災害である。強いインパクトにより「諦め」によって起こる現象。この「諦め」は、農山村にある「誇りの空洞化」とも関連している。増田レポートが「諦め」への引き金にならねばよいが。―☆元財務次官・総務次官がかかわり、背後に経済界と霞が関の実質的な支援があると(本流ではないとしても)、増田レポートは言われている。
・「地域活性化」の切り札?=リゾート開発、リゾート開発という外部資本導入・誘致こそが近道だと意識されていた。その後のバブル崩壊、地域の経済の活性化は実現できなかったばかりでなく、リゾート法により国立公園や森林、農地における土地利用転換の規制緩和が図られたため、開発予定地が未利用地として荒廃化し、それが国土の大きな爪痕として、今も残されている。」
・「内発性」「総合性・多様性」「革新性」という装いを持ち、地域の新しい価値の上乗せを目標としながら、「主体」「場」「条件」の三つの柱を地域条件として巧みに組み合わせる体系こそが、今日求められている「地域づくり」である。
◎地域づくりの三つの柱
 ①第一の柱・暮らしのものさしつくり― 「金以外の、移住環境、文化、コミュニティ、自然風土、生き方と哲学の存在と魅力をもっと子供たちに伝えよ、自分たちが拠りどころとしてきた、それらの価値をもっと掘り下げ再評価し、次の世代のための仕事の場と生きる場所を準備する」(結城登美雄)、これが地元学であり、「暮らしのものさし」の本質である。
②第二の柱・暮らしの仕組みつくり― ソフト条件の地域コミュニティ、ハード条件の生活諸条件ともに整備され、連携しながら「暮らしの仕組み」が構築される。
③第三の柱・カネとその循環つくり― …公共事業に依存しない地域産業の育成が、改めて課題となっている。また、所得形成のみならず、それが地域内で循環する仕組み(カネの循環)もひつようである。=地域資源保全型経済。…農山村らしい「小さな経済」を内部から積み上げていくことが新しい産業や雇用を作り出す…。農産物直売所、農産物加工場、農家レストラン、農家民宿 等「小さな経済
◎地域つくりの諸相―中国山地の挑戦 ※地域住民と地元行政などの壮絶な努力と英知の積み重ねがあった。☆過疎の先進地が「地域づくり」の模範地域に。
◎今、現場には何が必要か―政策と新展開
・「行政の押し付けによる支援」「使途が厳しく制限されている支援」「単年度の一回限りの支援」でなく、の内容が「地域づくりの交付金」でなければ…。「今までは地域が、国や県に地域づくりの理念を合わせてきたが、これからは国や県の事業が地域の理念に合わせなくてはならない。地域サポート人材―「補助人」たとえば、「補助人」としての地域おこし協力隊…。
◎田園回帰前線―農山村移住の課題
・現在の移住者の特徴的傾向  ①20~30歳代の移住者が目立ってきている。②若い夫婦での移住が多い ③移住後の職業は、いわゆる「半農半X」(塩見直紀)が多数を占めている。④移住の入口として、地域おこし協力隊などの制度を利用するものが多い。⑤都市出身のIターンが地元出身者のUターンを刺激している。 ○それに加えて、移住者の多様性。 あたらしい仕事の関わりかた「ナリワイ」もあり…
・農山村移住の三大問題 ①仕事― 若者の仕事観の変化あり。「ナリワイ」でOK。「若者が本当にその町が好きになったら、仕事は自分で探したり、作り出したりする。その地域にとって、まずは、地域を 磨き、いかに魅力的にするかが重要だ」(原氏 ②住宅― 空家が存在するものの、それが流通しない。⇒「空家バンク」を、その他の対応。 ③コミュニティ― 農山村の地域社会の閉鎖性… 両者のコミュニケーションに期待
・今後も「農山村は消滅しない」とするためには、そうとうに丁寧な地域づくり支援や農山村移住支援、そして国民の田園回帰志向の醸成が必要であろう。
◎「農村たたみ」の議論やそれに対抗するかのように活発化する田園回帰の現実は、実は私たちの社会の大きな岐路を表している。つまり、成長路線を掲げ、「農村たたみ」を進めながら、グロバリゼーションにふさわしい「世界都市TOKYO」を中心とする社会を形成するのか。そうではなく、国内戦略地域である農山村を低密度居住地域として位置づけ、再生を図りながら、国民の田園回帰を促進しつつ、どの地域も個性を持つ都市・農村共生社会を構築するか。こうした分かれ道が私たちの目の前にある。
☆日本の成長のために、弱者切り捨てと同じように… 農山村の切り捨ての応援本 「地方消滅」かな? 
☆「地方消滅」の現状事実認識は全く正しいわけで、処方箋が難しい。お金のない人にお金を貸し付けて破綻したリーマンショック。実質の価値がないのにアブクのように膨れ上がった不動産バブルの破綻。
 冷静に考えれば、破綻はわかっていたはずが。このままいけば東京一極集中人口激減。死ぬわけでないから良しとします? 
半農半X・自給自足を進めると、経済成長は下がるんです!  2015/2/21
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【山好き、旅好きの団塊世代日記】 当ブログは2007/1/29に運営開始いたしました!





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プロフィール

高田 学

Author:高田 学
少年時代は海と戯れ鎌倉育ち、故郷を離れ北海道で学業。その後東京にて工務店経営。
環境(省エネ)には特に詳しい。廃業後自由人。

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