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2015年の意味―高齢者となった団塊の世代の責任 寺島実郎 著 世界1月号より

☆すべて引用、寺島さん厳しく、言ってますね。私、団塊の世代68歳。
・日清・日露戦争での「戦勝」、朝鮮併合という歴史と並走した世代の日本人は、指導者を含め、次に世界史が向かう方向が見抜けなかった。…残念ながら日本は欧米列強模倣の帝国主義国家へと向かい、「敗戦」を迎えた。「戦争を知らない子供たちの」の先頭世代として生きた団塊の世代、・残された時間にどう時代に関わり、歴史を繋ぐ責任を果たすのか、「終活」などと言い出す前になすべきことがあるはずだ。

・ある時、温厚だった親父が惨めな姿を晒す傷痍軍人に「貴様はそれでも帝国軍人か」と激昂した瞬間を見た。・父は涙ぐんでいた。敗北を抱きしめながら生きることに必死だった大人の背中を我々は見て来た。
・…日露戦争、第一次世界大戦と彗星のごとく国際社会に台頭した記憶、日米同盟を支えに復興・成長の過程に入った記憶が埋め込まれ、「アングロサクソン同盟は成功体験」との認識が固定観念となったとさえいえよう。それが「アジアの国でありながらアジアの国でない」日本の立ち位置の淵源になっている。…米国への過剰依存と期待が醸成され「米国を通じてしか世界を見ない国」になってしまった。…同じく敗戦国のドイツは冷戦後の1992年「在独米軍基地の見直しによる縮小(在独米軍26万から4万に削減)と地位協定の改定」に踏込み主権回復に舵を切った。対照的に日本は・96年の「日米安保の再定義」97年の「ガイドラインの見直し」とむしろ米軍の世界戦略と一体化する方向に向かった。知的怠惰であり、アフガン・イラクに展開した米軍が「同盟軍軍隊との共同作戦」を期待して推進した「米軍再編」に思考停止のまま引き込まれていくしかなかった。われわれはこんな自堕落で矮小な時代を目撃するために生きて来たのであろうか。戦後世代の先頭世代として怒りを抑えながら、直視すべきことを整理したい。

・経済社会の在り方について、「アベノミックス」なるものに拍手を送る知見の低さを省察せねばならない。…現実に進行しているのは金融政策だけに過剰依存した株高主導経済と円安反転による輸入インフレであり国民生活の毀損である。経済現場に立つ人間は、決してこんな安易な経済理論を信じなかったはずだ。…日本人(投資家)はアベノミックスなど信じておらず、外人買いに並走して売り抜くという構造は加速している。産業を育てる資本主義とは無縁なマネーゲームを高揚させ、額に汗して働く人は苦闘するという愚かな構造に気付かねばならない。…われわれが目指すべき経済社会は、マネーゲームで景気浮揚の幻覚をもたらし、株価と政権の支持率が相関するような次元のものであってはならない。実体経済を直視し、産業を育て、未来に繋がるプロジェクトを組成し、国民経済を豊かにし、分配の公正を実現することこそ重要なのである。

・戦後民主主義が与えられた民主主義であるにせよ、また民主主義が「悪平等」を助長して煩瑣で時間がかかる仕組みであるにせよ、我々は国家主義の誘惑に引き込まれてはならない。「戦争を知らない子供たち」ではあるが、戦争を意識の奥に置き、戦前と戦後をつなぐ時代を生きてきた団塊の世代は「国家」の名における犯罪を拒否する責任を有す。
・そして戦後日本の忘れ物としての最大の課題は「米国との関係の再設計」だ。それは「独立国に長期にわたり外国の軍隊が駐留し続けるのは不自然」という世界史の常識に還ることだ。この意思を失った国を世界では「独立国」とはいわない。

☆占領終結時、マッカーサーが日本を離れるとき、日本大衆の雰囲気は「マッカーサー万歳」でした。独立したい気がある のか? 独立とは庶民にとっては何ぞや?

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【山好き、旅好きの団塊世代日記】 当ブログは2007/1/29に運営開始いたしました!





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プロフィール

高田 学

Author:高田 学
少年時代は海と戯れ鎌倉育ち、故郷を離れ北海道で学業。その後東京にて工務店経営。
環境(省エネ)には特に詳しい。廃業後自由人。

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等で 皆様の役にたてたら良いなと思うブログを書いてまいります。

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