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「津軽」太宰治 著  読書ノート


◎「…この作品でもう一つ見のがしえないのは、太宰のサーヴィス精神である。『人を喜ばせるのが何よりも好き』(☆だからもてた)…『津軽』などのもつ悲しさを宿しながらも精一杯の明るさ、ユーモアを心掛けた点をみのがしてはなるまい。それは人間への愛を、力をつくして語ろうとした太宰の誠実に発したものであることを。私はここに太宰文学の正常なすがたをみたい。」亀井勝一郎の解説より  『新津軽風土記』でもあるのです。 以下抜粋
・「青森の中学校に入学試験を受けに行く時、・その描写は・かなしいお道化の虚構に満ちてはいるが、…」
・「私の生き方の手本とすべき純粋の津軽人を捜し当てたくて津軽へ来たのだ」
・「信じるところに現実はあるのであって、現実は決して人を信じさせることが出来ない」
・「謂わば、人間の眼で舐められて軟化し、人間に飼われてなついてしまって、高さ三十五丈の華厳の滝にでも、やっぱり檻の中の猛獣のような、人くさい匂いがかすかに感ぜられる。…」しかし竜飛岬はちがう「風景にも何も、なってやしない。・ただ岩石と水である…」
・「中畑さんの事は、・私の二十代に於けるかずかずの不仕鱈の後始末を、少しもいやな顔をせず引き受けてくれた恩人である。」
・「日本の文華がちいさく完成して行きつまっている時、この津軽地方の大きな未完成が、どれだけ日本の希望になっているか、一夜静かに考えて・人からおだてられて得た自信なんてなんにもならない。知らん振りして、信じて、しばらく努力を続けて行こうではないか。」
・「要するに、私がこの津軽領の南端の港で得たものは、自分の兄たちの勢力の範囲を知ったという事だけで、私は、ぼんやりまた汽車に乗った。」
・「…若い娘さんが、…切符を口に咥(クワ)えたまま改札口に走ってきて…少女が汽車に乗ったとたんに、ごとんと発車だ。…こんなのどかな駅は、・類例がないに違いない。…」
・育ての「母」探して運動会の校庭で「国運を賭しての大戦争のさいちゅうでも、本州の北端の寒村で、このように明るい不思議な大宴会が催されている。・海を越え山を越え、母を探して三千里歩いて、行き着いた国の果ての砂丘の上に、華麗なお神楽が催されていたというようなお伽話の主人公に私はなったような気がした。」「…考えてみると、いかに育ての親とはいっても、露骨に言えば使用人だ。女中じゃないか。お前は女中の子か。男が、いいとしをして、昔の女中を慕って、ひとめ逢いたいだのなんだの、それだからお前はだめだというのだ。兄たちがお前を、下品なめめしい奴と情けなく思うのも無理がないのだ。お前は兄弟中でも、ひとり違って、どうしてこんなにだらしなく、きたならしく、いやしいのだろう。しっかりせんかい。」…「私は、たけの子だ。女中の子だって何だってかまわない。私は大声で言える。・兄に軽蔑されたっていい…」
・たけの傍らに坐り「…無憂無風の情態である。・私はこの時、生れてはじめて心の平和を体験したと言ってもよい。先年なくなった私の生みの母は、気品高くおだやかな立派な母であったが、このような不思議な安堵感を私に与えてはくれなかった。…… 親孝行は自然の情だ。倫理ではなかった。」「たけが私の家へ奉公に来て、私をおぶったのは、私が三つで、たけが十四の時だったという…けれども、私の思い出の中のたけは、決してそんな若い娘ではなく、いま眼の前に見るこのたけと寸分もちがわない老成した人であった。」
・「…私はたけの、そのように強くて不遠慮な愛情のあらわし方に接して、ああ、私は、たけに似ているのだと思った。きょうだい中で,私ひとり、粗野で、がらっぱちのところがあるのは、この悲しい育ての親の影響だったという事に気が付いた。」
・「まだまだ書きたい事が、あれこれとあったのだが、津軽の生きている雰囲気は、以上でだいたい語り尽したように思われる。私は虚飾を行わなかった。読者をだましはしなかった。さらば読者よ、命あらばまた他日。元気で行こう。絶望するな。では失敬。」
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【山好き、旅好きの団塊世代日記】 当ブログは2007/1/29に運営開始いたしました!





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プロフィール

高田 学

Author:高田 学
少年時代は海と戯れ鎌倉育ち、故郷を離れ北海道で学業。その後東京にて工務店経営。
環境(省エネ)には特に詳しい。廃業後自由人。

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等で 皆様の役にたてたら良いなと思うブログを書いてまいります。

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