35年ぶりに深沢七郎の『楢山節考』を読み返した。姥捨て山の民話の小説化である。おりん婆さんは70歳で喜んで息子に背おられて、山に死に行く。涙が出るのが人間なんでしょう、私も。後期高齢者医療制度は--75歳まで生きれば、姥捨て山に行ったらという日本の伝承を、法律にしたのかしら。75歳過ぎると医療費がよけいにかかるから、若い人たちに医療費が回るように、姥捨て山にすすんでいって下さいと、親不孝東大卒業生の官僚様が法律を作ったんでしょう。
私の母は94歳になっても、この法の精神に逆らって、えばって一人で生きています。でも昔の百姓(地主的)の娘、楢山節考的考えも染み込んでいるみたいです。
それにつけても深沢七郎さんはすごい、大好きだ。彼の人生相談の回答なんかは、とてもとてもすてきだ。飛んでる答えだった。『庶民列伝』『東北の神武たち』等々、山下清的な面もあるけど、とっても庶民、人間に透徹した目をもっていると思います。そうなると『人間滅亡の唄』なんて本を作ってしまうのでしょう。
彼の著作の最大の話題作で読めなかったものが、インターネットで引っ張ったら読めた、半年前はなかったのに、ネットはすごい。太宰の『トカトントン』という短編が気になってネットで検索したら全文が出てきた。それならひょっとしたら七郎さんの『風流夢譚』も出てくるかなと思ったら出できました、全文が。これを読んで当時、中央公論もよく載せたとおもいました(昭和35年)。今だと無理でしょう、それだけ今の世の中自由は束縛されてるのでしょう。興味のある方はネットでお読みください。
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