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「白痴の母」「火つけ彦七」 伊藤野枝集より 読書ノート

☆前回の 「村に火をつけ 白痴になれ」-伊藤野枝伝の 本の表題の由来の、伊藤野枝の短編小説。

「白痴の母」 より
 ・ラスト 白痴の息子が、馬鹿にされ、馬鹿にした子供を傷つけ、くやしくて‥「婆さんはその枯れた幽霊のような体を裏の松の木に吊るしていたのです。それは誰一人として案外に思わないものはありませんでした。どうしてそこまで這い出して行ったかさえ疑問にされるほどの体で、彼女は高い枝にその身体を吊るした紐をかけていました。人々は驚異の眼を集めて一様にその高い枝を見上げました。」 ☆執念です。

「火つけ彦七」より
☆ 部落出身の彦七が、出自の故に理不尽に、徹底的に差別いじめられ、執念でそれを跳ね返そうと・・
・「『穢多ん坊! 穢多ん坊!』 彦七は小さい時からそう言って村の子供たちから、自分等部落の者が卑しめられるのが心外で仕方ありませんでした」 
・虫の息になるまで、いじめぬかれて・・「『今に見ろ、何かで仇うちをしないでおくものか。この恥と苦しみをこれから出来るだけ貴様たちに背負わしてやるぞ。』 ・・しかし起こした体は激しい痛みのためにすぐくずれおち・・・もの凄い上ずった眼を据えてソロソロ歩き出しました。」
・「・・そして何の罪もない自分を、死ぬ目に遇わした世間の奴等の仇になって、どうすれば一番彼ら等を苦しめることが出来るかを一生懸命に考えました」「ただ黙々として働きました」 金貸しになりました。
・「金をつかんでいれば、どんな者にも負ける心配はないというのが、彼の築き上げた信条でありました。」
・「・・彼は今までの金による復讐を、此度は魅力にとんだ火焔と取り換えました。そして、長い間、彼方此方を徘徊しながら、その呪いを止めなかったのです。彼が生まれた村(☆乞食同然になって)に帰って来たのは、最後の思い出に呪いの火を這わすためでした。」 
☆理不尽は許さないという、野枝の凄い執念を彷彿とさせる、小説ですね・・、

おまけに、『青鞜』に発表された、『新しき女の道』より
・「新らしい女は、・・多くの人々の行き止まった処よりさらに進んで新しい道を先導者として行く。・・・先導者はまず何より自身の内部の充実を要する。かくて後、おもむろにその充実せる力と勇気と、しかして動かざる自信と自身に対する責任をもって立つべきである。・・・先導者としての新しき女の道は、畢竟苦しき努力の連続に他ならないのではあるまいか。」
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【山好き、旅好きの団塊世代日記】 当ブログは2007/1/29に運営開始いたしました!





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プロフィール

高田 学

Author:高田 学
少年時代は海と戯れ鎌倉育ち、故郷を離れ北海道で学業。その後東京にて工務店経営。
環境(省エネ)には特に詳しい。廃業後自由人。

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