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「辛酸」 田中正造と足尾鉱毒事件  城山三郎 著  読書ノート

◎裏表紙より「・・地位も財産も顧みず、谷中村問題(足尾鉱毒)に取組む男、田中正造は、村民たちを率いて、全身全霊で抵抗運動に奔走する。国家権力の横暴と、不撓不屈の精神でそれに立ち向かった人々の姿を描いた伝記小説の傑作」
・「…このままでは日本は近く潰れる。・・坊のような若い者がしっかりしてくれることだ。しっかり学問をして、外国へも行ってくるんだ。・・経済ということをしっかり勉強してくるんだ。無知では救われないし、人も国も救えない。」
・弟子の宗三郎の思い「・・正造は野垂れ死にと言ったが、うちすてられたこの廃村の中を、氷雨に打たれてさまよいつづけて死にたいと思う。思い切り身をいためて何かに復讐したいような倒錯した感情が突き上げてくる。」・・「・・正造には雨と闘う何の力もない。しかも、それほど無力なのに、正造の戦意だけは少しもそこなわれていない。」
・「『色々な考え方がありましょう。なるほどそれで村が立ち直れば、一時は被害者もよろこんだでしょう。だが、それでは子孫が困ると思って・・・。金で解決するのは一時的で、本当の解決にはならぬと思ったんでがす。』
・「・・埋葬の許可はでなかった。西に向かって線香を立て、冥福を祈るのであった。だが残留18戸はひるまなかった。正造を芯に、強い結晶体と変わった。」
・「法廷での正造は激してくると、被告である県吏を国賊とののしり、・絶叫した。」
・「正造の病み衰えた眼には、蓆旗(ムシロバタ)をかかげて、寺をうめつくした千を越す被害民の群れが、いまも見えるようであった。・・・『人間は終局を思うようなことでは仕事はできん。≪道はおれが開いてやる。後の始末はしてくれよ≫という考えでなければ、何事もできないよ』」・・大正2年9月4日(1913)死と読み古した新約聖書
・「それはもともと、正造の執念のすさまじさから生まれた悪意のない風評であったかも知れぬ・・」
・「政友会尾崎行雄はじめ数多くの名士たちの弔辞が捧げられ、近隣より千人を越す参会者もあって・・・」
・「…宗三郎兄弟は突然、召喚され、直ちに送検の手続きをとられた。庭先に正造の祠を置いたことが河川法違反になるというのだ。」
・「<正造に同情しても、正造の事業に同情して来ている者は一人もおらん>と死の床で言っていた正造」
・「谷中に再度の強制破壊との報せは、・駆けつけてくれたのは中村弁護士、それに大杉栄・伊藤野枝の3人だけであった。」
・「床の間・≪辛酸入佳境≫の正造の掛け軸が下がっている。…辛酸を神の恩寵と見、それに耐えることによろこびを感じたのか。それとも、佳境は辛酸を重ねた彼岸にこそあるというのか。あるいは、自他ともに破滅に巻き込むことに、破滅を好む人間の底深い欲望の満足があるというのだろうか。」☆最後は辛辣すぎる・・・
  「正造がそのいずれを意味したのか、そのすべてをも意味したのか、知る由もない。」
・「しかし晴れ間は幻影であった。裁判官が更迭となったのだ。」 「県側は次々と約束を破った」
・騒動? 大正10年、谷中村事件が起こって18年目。 「『火事でもないのに出動した以上、出動命令あってのことと思うけど、その命令者は誰です。町長ですか、署長ですか』 次の瞬間、組頭は、・・『そうだそうだ。もう消防なんてやめだ』」
・「だが、闘わなければならない。正造とともにはじまった谷中村民の辛酸は、生半可な妥協によっては決して報われることは無いのだ。」
☆信州で仙人の道半ばの小出裕章さん反原発の意思で毎月3日に松本駅広場でスタンディングをしているという。その小出さんが、部屋に田中正造の写真が掲げられているというのを知って、この本を読む。

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【山好き、旅好きの団塊世代日記】 当ブログは2007/1/29に運営開始いたしました!





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プロフィール

高田 学

Author:高田 学
少年時代は海と戯れ鎌倉育ち、故郷を離れ北海道で学業。その後東京にて工務店経営。
環境(省エネ)には特に詳しい。廃業後自由人。

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