―多様性尊重社会へのキーワード―
◎≪人間理解の新たな視点≫を紹介するためのガイド本です。
・「…発達障害とカテゴライズされ得る一部の限られた人たちだけの話ではなく『すべての人の脳や神経の在り方』が対象となる視野の広さを持った言葉=ニューロダイバーシティ・・」
・「神経学的に多数派と考えられている人たちの間にも、脳・神経、それらに由来する人の認知・情報処理の在り方等に個別的な違いが存在し(多様性と捉える)、こういった違いもまた尊重されるべき≪違い≫たちだと考えられる。そう考えることで多数派、少数派を問わずすべての人の脳や神経由来の特性や個性を正しく理解し、相互に尊重する姿勢(それらの違いを社会の中で生かしていく)や方法論が社会に広がっていけば、あらゆる人が今よりもっと『生きていきやすい社会』になっていくのではないだろうか」
・neurodiversity neuro(脳・神経)+diversity(多様性)の合成語。 この言葉は自閉スペクトラムの当事者によって生み出され、・・権利擁護から始まった概念・・・『生物多様性』と同様に多様で、違いがあること自体に価値があるという考え方のもと、自閉症を非病理的な差異であるということが強調されていく・・・脳や神経由来の違いを欠損や病理として考えるのではなく、生物学的な多様性における正常なバリエーションの1つと位置付ける考え方です。」
・「自閉症と呼ばれる現象を≪何かが劣っている、欠けている状態≫ではなく、独自の文化を持った文化的少数者であると位置づける発想の転換です。・・・≪脳や神経由来の文化の違い≫・・
・「非病理性を強調しすぎることで支援を妨げるという批判・・」
・「支援は、・多くの場合それが『障害』や『病理』だと社会的にカテゴライズされているから届けられるという矛盾に気づく、・・福祉の現場などでは障害認定や少なくとも医師の診断が必須とされているサービスがほとんど。・・関われば関わるほど感じる『障害』という言葉への違和感と、現状の社会システムにおいて社会資源を利用するために必要な『障害者』という枠組みの間にある矛盾に、苦悩を感じる・・、社会がその矛盾を解消できる方向へと向かっていくことを願う。」
・≪異なる神経発達、異なる認知は異なる体験や感覚を生む≫ 「脳や神経の特異性やその特異性に由来する人の認知の多様性が」あり、・・。こういったハードの(脳や神経)に由来する感じ方や世界の捉え方の違いを≪文化の違い≫と表現できる・・」 「多数派の人が≪無意識に人の目を見る≫という状況において、髪の毛や口元を見ることが『自然』で『当たり前』なタイプの少数派の人たちが存在していることです。・・・≪障害≫でも≪症状≫でもなく単なる≪違い≫にすぎません。」
・「感覚過敏―脳や神経の働き方に大きな違いがある、」 ex特定の音がとても不快に・・、光がまぶしくて・・
・「繰り返して書くことで漢字を覚えるということが、神経由来の特性レベルで根本的に苦手なお子さんがおられる。・・『個に合わせた方法論の重要性』・・、≪多くの人にとって良い方法≫はありえても、≪全員にとって良い方法≫は存在しないということ。 個々の学び方の多様性を適切に把握し、個々の特性に合った」
⇒『認知特性型学習の重要性』―『学び方の個性』を脳や神経由来の『特性』レベルで理解しようという視線
・「ダイバーシティ&インクルージョン運動(多様性の受容)―欧米諸国の大企業において、生き残りのための生存戦略ということ。・・
◎「私は日本型ニューロダイバーシティの鍵が、多数派と考えられる人たちの中にある『多様性』にまず目を向けることにあると考えています。そうすることで、人の内側に存在している違いに目を向け理解するこ
とで、よりよい働き方を目指していくという『文化』や『価値観』が生まれていくことになります。そしてその『文化』や『価値観』は必ずニューロマイノリティな人たちが働きやすい社会につながると考えています。」
・「働いている人みんなの脳や神経由来の特性を理解し、採用、業務分担、チームビルディング、教育に活用することが当たり前の社会になれば、全体としての業務の効率や生産性も必ず向上すると考える。また様々なレアな脳や神経の特性の持ち主も働きやすい社会となっていくので、結果として労働生産人口が増えていく・・・」
・「夫婦関係や親子関係を通じて、脳や神経の違いはその人の『自然な状態』や『当たり前の感覚』の違いを生み、そのことが『価値観』や『考え方、感じ方の傾向』というレベルでの文化とも言える違いにつながるという、異文化間の相互理解という発想が役に立つ、・・違いを理解し尊重しようとすることです。」
◎≪ダイバーシティ(多様性尊重)視点が必須となる時代≫―「多様性に向き合わない社会とは、多数派に当てはまらない人を排除する圧力が強い社会と言えます。その結果、残念なことに不登校、引きこもり、ニートなどとカテゴライズされることの多い『生きづらさ』を抱えた人たちを大量に生み出してしまっています。
(☆私は、多数派にはまらない人を排除つまりイジメもあると考える)そこには、人口の6%~10%いるとも言われている発達障害圏の人たちも含まれます。」 「社会の変化に関わらず人の内側にただ存在する『脳や神経由来の特性』を正しく理解しようとする眼差しは、今後ますます必要なものとなる・・。社会にニューロダイバーシティの発想や知見をインストールすることは、生きずらさを抱えてしまう人を少しでも減らすことに役立つ知見だと思う。」
国の経産省のホームページより、≪ニューロダイバーシティの推進について≫を添付
☆経産省、世の中の先を進んでいます。
「ニューロダイバーシティ(Neurodiversity、神経多様性)とは、Neuro(脳・神経)とDiversity(多様性)という2つの言葉が組み合わされて生まれた、「脳や神経、それに由来する個人レベルでの様々な特性の違いを多様性と捉えて相互に尊重し、それらの違いを社会の中で活かしていこう」という考え方であり、特に、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、学習障害といった発達障害において生じる現象を、能力の欠如や優劣ではなく、『人間のゲノムの自然で正常な変異』として捉える概念でもあります。
イノベーション創出や生産性向上を促すダイバーシティ経営は、少子高齢化が進む我が国における就労人口の維持のみならず、企業の競争力強化の観点からも不可欠であり、さらなる推進が求められています。この観点から、一定の配慮や支援を提供することで「発達障害のある方に、その特性を活かして自社の戦力となっていただく」ことを目的としたニューロダイバーシティへの取組みは、大いに注目すべき成長戦略として近年関心が高まっております。この概念をさらに発信し、発達障害のある人が持つ特性(発達特性)を活かし活躍いただける社会を目指します。」
スポンサーサイト
もしよろしければ応援宜しく御願いします。
↓これをポチっと御願いします。

にほんブログ村
コメントの投稿