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「私がつかんだコモンと民主主義」 岸本聡子 著  読書ノート

◎2022.6月より杉並区の区長に。「日本人女性移民、ヨーロッパのNGOで働く」
・巻頭言より 「オランダ人の国際結婚に葛藤しながら、ヨーロッパの移民として、学歴(☆日大出身です)もお金もないところから働いて、子育てして、『自分のことは、自分で決める』を貫いて生きてきた記録だ。・お金儲けからは程遠い、『コモンズと民主主義』や『気候正義と多様性』を追求して仕事をしてきた。・それがいま世界で同時多発的に起きている『下からの民主主義』を後押しするものになればと思う。」
・≪日本人、ヨーロッパの政策NGOで働く≫-「私が働くトランスナショナル研究所は、NGOというよりも市民・社会運動を支える左派系の活動家兼研究者のシンクタンクと言ったほうが・・・」
・「…言語の強みも学術的な専門性も持たず、『はったり』もできない私は、誠実に成果を積み重ねていくしか道がなかった。」

・ボリビアの「コチャバンバの水戦争・・コチャバンでの勝利はWater Justice、水の正義のための国際運動が自然発生的に生まれる重要なきっかけとなった。・・各地での闘いの点々が線となり、面となっていった。そこに共通するのは、すべての人間が生きるために必要な水から、利益を上げることは許してはいけないという、わかりやすい力強い信念だ。」
・「非営利セクターで働く人たちは、かなりの起業家精神にあふれている。・・何につき動かされているかと言えば、社会がこうあってほしいという価値や信念だ。」
・≪外国人として、移民として、女性として生きる≫-「‥最低限の生活が保障される国へ(☆オランダ)‥私たちの生活は、オリビエ(パートナー)が一人で暮らしていた運河が見える小さなアパートに私と赤ん坊が転がり込む形で始まった。私は27歳だった。・・・NGO・・アイデアと理想を掲げて、それに賛同してくれる人々から資金を得る資金調達は今でも私たちの日常だ。」
・「…母に離婚するという自己決定権がないことの恐ろしさを学んだ。・そして子どもを持つことで自己決定権をリスクにさらすのはさらさらご免、・そして家父長制と資本主義のコンビネーションである現代社会で、それは今でも真実であると思っている。」

・≪グローバル・ジャスティス(正義)運動≫-「1998年、ヨーロッパの青年環境活動家とインドの農民運動はどうして共に世界貿易機構WTOに対抗したのか。それは今まで別々だと思われていた様々な問題、例えば気候変動や生物多様性と、先住民や農民の土地、種子、労働運動、女性の権利運動、途上国の債務といった問題が、みんなどこかでつながっていて、どうやら現在の国際政治経済体制が、私たち普通の人の生活や生物が生きる環境をぎゅうぎゅう締め付けている。その主たるルール作りの一端をWTOが担っているようだという認識や分析が共有されてきた‥人も金も行き交うグローバリゼイションそのものに根源的な無理が…」
・「資本家、投資家、多国籍企業が活躍できる国際的な貿易投資のルール作りの裏側で、取り残された普通の人たちがつながり始めたのだ。」 「アラブの春」「私たちは99%運動」「Black Lives Matter」 「実は根っこは確実につながっている。」
・「ロスジェネは仕事や雇用の成功も失敗も自己責任と叩き込まれているし、…。脱原発で違う顔を見せたものの、私はこの労働市場を破壊した先の首相を・許さない。小泉に乞われて国務大臣となり改革を主導したのは、今でも政界にはびこる新自由主義信奉者の竹中平蔵だ。」
・「大学に行きたい人は経済力に関係なく、行ける世の中でなくてはいけない。‥仕事を商品として扱ってはいけない。・エッセンシャルワークを≪自由市場≫ルールから隔離することだ。」
・「気候変動問題のための学校ストライキは、・そして3回目は3万5千人に膨れ上がった。労働組合や環境団体もかかわらない、大学生さえ蚊帳の外の中高生による毎週木曜の自発的行動に、大人もメデイァも驚愕した。…グローバルストライキに成長し、世代を超えて共感を広げ、息の長い草の根の運動としてしっかりと根を・・」
・「COP3・京都議定書は・その後の20年が証明するように「法的拘束力」は穴ぼこだらけで本来的な意味は発揮せず、排出量は増え続け、中国・インド・・など新興国は存在感を増し、大量消費型のライフスタイルはさらに安い生産地を開拓し続けた。・・グレタたちが指摘するようにまさに失われた20年となって・・」
・≪国連の企業戦略の欺瞞≫-マルチステークホルダーいかにも聞こえのいい言葉、・国連や国際政治の場においては国家の責任を縮小し、特定の思惑のある大企業や産業界を政策に関与させるやりかただからだ。」
・「2019年ダボス会議・グレタ訴える『気候変動はみんなが作った問題と言ってみんなの責任にするのは都合のいい嘘。大企業や政治家は気候変動問題のツケが誰にくるのか完全に知りながら、現状を変えずに想像を絶する額のお金を毎日稼ぎ続けている。』グレタは気候危機問題を権力と正義の問題だと、鋭く指摘」

・≪水道再公営化追跡≫-「なによりも官民連携やPFIといった民営化手法のプロジェクトが自治体の財政を助けるどころか悪化させている実態に多くの自治体が気づき始め、民営化の綻びが先進国でも顕著に・・」
・「水道の民営化、一時的なコスト削減、がサービス低下、事業の責任の所在が曖昧になって・・」
・「各国の『水の権利と正義』をもとめる運動体や研究者ゆるやかにつながり協力を続け、現在、水道公営化リストは345件になった。」 「水の権利と水道民営化の対抗運動は各地で勝利を重ねていった。…2011年イタリア・・国民投票を成功させ、『水は人権であり、そこから利益を上げてはいけない』という原則を憲法に反映させた。」 「水が商品化される社会は、他の全てのものが商品化されているだろう。あらゆる人や動物は、海と大気と森と大地に循環する水に生かされているのだ。」
・「・・海底ケーブルでヨーロッパ市場に送電する。このような再生可能エネルギープロジェクトは、温暖化防止ガスの抑制には貢献するかも知れないが、そこに住んでいる人にはほとんど恩恵がない。国際資本や裕福なヨーロッパの消費者を中心にデザインされた、搾取型のプロジェクトだ。・エネルギー植民地主義と批判す」
・≪環境的正義が動き始めた≫-エネルギーの民主化の原則 ①大原則・化石燃料をもうこれ以上掘り出さず
 ②最終的に電力の100%地域の再生資源エネルギーを目指す ③生活に必要な電力は全ての人に保障(ユニバーサルアクセス) ④電気料金を払えない電力貧困を解決し、化石燃料採掘跡の汚染土地を回復させる ⑤電力供給は、社会的弱者(低所得者・障害者・LGBTQ・先住民)を特に意識しなくてはならない。 Energy Democracy
・「気候正義運動発のグリーンディール(公的資金の大規模な出動で気候変動を回避する政策)提案が、社会的格差、差別、所有関係を問うている。⇒環境的正義・・」

・≪戸籍という世界でも特殊な制度≫-「生家の両親が『これからは嫁いだ先のお義母さん、お義父さんに良くするように』なって言う…これが文化とか伝統ということだろう。・・違和感を言葉にすれば波風が立つ・・違和感の理由が知識によって明確のなったとき、・力が湧いてきた。・・自分の漠然とした違和感が知識と出会うことで、力になっていく学問の面白さを知った。・・自信は思考の境界を超えて自分の言葉や行動を作っていく。」
・「日本に外国人が長期に住むことになれば婚姻関係がなくてはならないので、結婚した。・・結婚という枠組みにしばられたくない、・またパートナーシップに戻したいと思っている。」
・「・・自分が今ある制度や関係から利益を受けている場合、それに中立であることはできない。積極的に変えようとしない限りは、現状を維持しようとする権力の一部になって加害者であり続けてしまう。・・私は女性問題では弱者だけど、原発や基地を一部の人や地域に押し付けてその利益の上で生活している加害者でもある。・・『言わなくちゃいけないんだ』と力が湧いてきた。

・≪政治家は女性に向いた仕事≫-「2019年フィンランドで34歳の女性のサンナ・マリン首相。 レインボーファミリーで育つ。その演説『・・社会の強さとは、・弱き人々が上手に生きていけるかで測られるべきで・・フィンランドの強さは、≪人々と人々が持つ知識≫であり≪国の成功において教育の果たす役割は要である≫と締めくくった』
・≪私はオランダ語ができない≫≪オランダ語学習のトラウマ≫≪人生は言語ばかり勉強するほど長くない≫と割り切って私は自由になった。」
・「…このことで私はバルセロナを中心とするミュニシバリズム運動(地域の主権を重んじる新しい政治運動)の中で、フェミニストの活動家たちが提唱する≪政治のフェミナイゼイション≫の意味の一部を理解できた。」
・「新自由主義の40年の最大のコスト削減と民営化の標的が、ケアの分野であったことは偶然ではない・・・育児、家事、介護、病人のお世話の多くは家庭の中で行われており、伝統的な役割分担の中でその多くを担うのは女性である。こういった大切な仕事の多くは無償であり、GDPに反映されない。」

・≪同時多発的な市民運動の時代に≫ ☆気候民主主義につながるのかな?   「水、電力、住宅、通りや広場、医療やケア、空気、図書館。これらすべてはみんなのものであると同時に誰のものでもないコモンズだ。ミュニシバリズムは利潤と市場の法則よりも、市民、公益、コモンズ(公共財)を優先し、政治課題の中心に置く。・・・国家を飛び越えて地域と地域がつながることで国家を包囲する強さを養おうという気概も大切な特徴だ。」
・「私たちは生きにくいこと、窮屈なことをあきらめないで、言葉にし続けて、共有と共感の連鎖をつないでいける。おかしいと思うことを勇気を持って話す。体験を共有する。世界で何が起きているのか耳を傾ける。想像する、勉強し続ける、学習会を開く。デモに行く、オンラインで署名する(もちろんオフラインも)、広げる、応援する、環境を守る。当たり前の日常で自由や正義を希求していく。自分の尊厳と他の人の尊厳がつながっているという想像力が育っていく。」
 ☆そんなこんなで、杉並区長になったんですね。『環境的公正を求めて』がバイブルとか。

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こんにちは!

【山好き、旅好きの団塊世代日記】 当ブログは2007/1/29に運営開始いたしました!





皆さんのお力になれるような記事を 書けるように勤めます!


プロフィール

高田 学

Author:高田 学
少年時代は海と戯れ鎌倉育ち、故郷を離れ北海道で学業。その後東京にて工務店経営。
環境(省エネ)には特に詳しい。廃業後自由人。

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③ 旅や山行での報告感想  
等で 皆様の役にたてたら良いなと思うブログを書いてまいります。

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