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里山が無くなり、そして四手井綱英が亡くなった。-日本林業について-

いま、里山に人が入らなくなって、里山でなくなってきた。里山は適度の人の自然生態系への撹乱があって、バランスが取れていた。                                       その「里山」の言葉を生んだ森林生態学者で京都府立大学長などを務めた京都大名誉教授、四手井綱英(しでい・つなひで)さんが11/26日、亡くなった97歳。「造林学の基礎は生態学」との理念から、「森林生態学講座」を開講した。戦後の林業政策を「木材生産一辺倒」と批判。森を一斉に伐採し杉やヒノキを植える「皆伐一斉人工造林」や大規模な林道開発に警鐘を鳴らした。晩年まで各地の自然保護活動にかかわり、ワシ、タカなど野鳥の保護でも積極的に発言した。 林学では農用林と呼ばれる、薪や山菜などを採集していた人里近い雑木林を「里山」と定義。 四手井綱英の弟子である村尾行一さんさんが次のように書いている。《四手井綱英先生は『これからの日本の森林づくり』で「戦後の復興、それに続く工業の発展に伴う都市人口の急増、カラフトを失ったパルプ業界の国内各地への進出等」で「木材需要は過去に例をみないほどの高まりを見せ、木材価格も高騰し」、「これに林業、木材業が喜んで」すっかり舞い上がってしまい、それが官民あげて誤った方向に走らせた、と批判されている。至言である。杉か檜,それが無理な所はカラマツといった極小樹種のみの単樹林の人工造林とその短期伐採一辺倒に陥っただけでなく、施肥と除草剤使用という狂気の沙汰に官産学一体で熱を上げた。 林地肥培にいたっては、国の保護政策が期限切れになって生産過剰で苦しんでいた化学肥料業界が、森林を不良在庫品の処分先にしよう、という動機で推進したことは、当時院生であった私でさえ知っていた。 木材は完全な売り手市場だったから、寸法や品質の不正表示・粗悪品の混入・産地偽装・納期破り等の悪徳商法が横行した。その典型がなんと 最優秀林業とされていたあの吉野林業だったのである。総体としての日本林業はまさにこの空前の好景気によって誕生したといってよい。そして各地を歩き回って分かったことは、木材業界のお粗末さと…無間伐ということが総体として日本人工林業の特徴であることを知った。…未曾有の木材景気にあおれて大挙新規参入した戦後生まれの林業の稚拙さはいうまでもない(拡大造林)。だから、戦後日本林業の主たる担い手は用材林経営に全くの素人である。そして、大膨張する木材需要に極力早く対応さすべく官学あげて【短期育成林業】を奨励した。林地肥培はその一環である。しかも相手が無知な素人なのをよいことに、若齢木の間伐でモトがとれ、短い年数での主伐で大儲けが出来ると吹き込んだ。その上、林業の機械化と運搬の自動車化を強力に推進したため木材の乾燥工程が消滅し、無乾燥材という欠陥商品が国産材の特徴になってしまった。しかも国は無乾燥材を【新鮮材】と褒めた。 これには需要側が音を上げて経済・財政当局に迫り、ようやく外材輸入が解禁された。まともな商品である外材はまさに慈雨であった。お蔭で価格高騰も沈静化した。しかし、日本的林業の戦後的体質は一向に改まらない。端的にいって、消費者不在。…その最たるものが無節材生産への熱中である。和室に使い内装材として意味あるものだが、これなら外材との価格競争に勝てると妄信して、官民あげて【優良材】と美称した。だが、その時…一戸建て住宅でさえ無節材を必要とする和室の減少が始まり…安全・自然志向の今日の木材需要が求めるのは、寸法が正直な材…そして何より乾燥材なのだが、それに応える国産材は僅かである。だから需要は外材に向かう。さしもの国も人工乾燥をやっと奨励し出した昨今でさえ、国の公表数値でも国産材に占める乾燥材の割合は二割しかない。奇しくも木材自給率二割と一致する。  その結果、今では四手井先生がおっしゃるごとく日本林業は『木材生産はおろか、人工林の維持すらおぼつかなくなってしまった』のである》。
森林は一斉皆伐でなく択伐を植林でなく自然更新を、針葉樹単一でなく・広葉樹(ブナ・ナラ等)との混交林を…森林の生態系に沿った林業をということなんでしょう。官学・補助金に踊らされることなく、森林の未来を見据えて日本林業の再生を祈ります。


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【山好き、旅好きの団塊世代日記】 当ブログは2007/1/29に運営開始いたしました!





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プロフィール

高田 学

Author:高田 学
少年時代は海と戯れ鎌倉育ち、故郷を離れ北海道で学業。その後東京にて工務店経営。
環境(省エネ)には特に詳しい。廃業後自由人。

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