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「忠誠と反逆」 丸山真男 著 ちくま学芸文庫  読書ノート

「歴史意識の『古層』」より
「・・・一般的に、歴史的出来事についての日本人の思考と記述の様式について探るならば、やはりその基底的枠組みは『悉に此の神代の始めの趣に依るものなり』といえるのではないか――これがこの小稿の仮設である。いいかえるならば、主としていわゆる記紀神話、とくにその冒頭の、天地開闢から三貴子誕生に至る一連の神話に、たんに上古の歴史意識の素材をもとめるにとどまらず、そこでの発想と記述様式のなかに、近代に至る歴史意識の展開の諸様相の基底に執拗に流れつづけた、思考の枠組みをたずねる手掛りを見ようというのが、本稿の出発点である。」 「ここでは、記紀神話の冒頭の叙述から抽出した発想様式を、かりに歴史意識の『古層』と呼び、・・・『古層』は、直接には開闢神話の叙述あるいはその用字法の発想から汲みとられているが、同時に、その後長く日本の歴史叙述なり、歴史的出来事へのアプローチの仕方なりの基底に、ひそかに、もしくは声高にひびきつづけてきた、執拗な持続低音を聴きわけ、そこから逆に上流へ、つまり古代へとその軌跡を辿ることによって導き出されたものだからである。・・・すくなくともそれを可能にさせる基礎には、・・世界の『文明国』のなかで比較すればまったく例外的といえるほどの等質性を、遅くも後期古墳時代から千数百年にわたって引き続き保持して来た、という重たい歴史的現実が横たわっている。」
基底範疇のA―なる  基底範疇のB―つぎ  基底範疇のC―いきほひ
「以上、日本の歴史意識の古層をなし、しかもその後の歴史の展開を通じて執拗な持続低音としてひびきつづけて来た思惟様式のうちから、三つの原基的な範疇を抽出した。強いてこれを一つのフレーズにまとめるならば、『つぎつぎになりゆくいきほひ』ということになろう。・・・こうした諸範疇はどの時代でも歴史的思考の主旋律をなしてはいなかった。むしろ支配的な主旋律として前面に出てきたのは、―歴史的思考だけでなく、他の世界像一般についてもそうであるが―儒・仏・老荘などの大陸渡来の諸観念であり、また維新以降は西欧世界からの輸入思想であった。ただ、右のような基底範疇は、こうして「つぎつぎ」と摂取された諸観念に微妙な修飾をあたえ、ときには、ほとんどわれわれの意識をこえて、旋律全体のひびきを「日本的」に変容させてしまう。そこに執拗低音としての役割があった。」 「・・・江戸時代の歴史的ダイナミズムが、『近代化』の一方通行ではなくて、むしろ近代化と『古層』の隆起との二つの契機が相克しながら相乗するという複雑な多声進行にあった・・・江戸時代に『正統的』とされた思考範疇なり、概念用具なりは、ヨリ長期的な日本思想史の流れのなかで見れば、必ずしも強靭な伝統ではなく、逆にそうした『正統』に対する『修正』ないし『反逆』の動向のほうが、―当事者が意識すると否とを問わず―執拗低音と調和している、という歴史のアイロニー・・・」
「・・・けれどもヘーゲルにおいて唯一であった『理性』は、13世紀の慈円にとっては、すでに『諸原理』という複数形で提示されていたのである。『歴史的相対主義』の花がどこよりも容易にさきこぼれる土壌が日本にはあった。この歴史的相対主義の土壌が『おのづからなりゆくいきほひ』のオプティミズムに培われているかぎりで、それは理想主義を太古に求め、それを基準として歴史的現実を裁くという意味での『復古主義』とも、また反対に、未来に歴史の目標を託し、現在をその目標へのステップと見る『進歩の観念』とも、所詮は摩擦せざるをえない。」
「規範としての『復古主義』をなじみにくくする『古層』の構造は、他面で、言葉の厳密な意味での『進歩史観』とも摩擦をおこす。・・・ところが『つぎつぎになりゆくいきほひ』の歴史的オプティミズムはどこまでも(生成増殖の)線形な継起であって、ここにはおよそ究極目標などというものはない。・・・こうして古層における歴史像の中核をなすのは過去でも未来でもなくて、『いま』にほかならない。」 「・・・五戒の一つである飲酒戒を冒すことで、来世は畜生道におちてもかまわない、とひらきなおる態度は、大伴旅人という一知識人の特殊な個性だけには到底帰せられないような広い基盤に支えられていた。その点で『諸行無常』の観念は、一方では『なりゆくいきほひ』のオプティミズムとはげしく摩擦しながら、他方では、すへてを『永遠の相の下に』でなくむしろ不断の変化と流転の相のもとに見る『古層』の世界像と、互いに牽引し合うという奇しき運命をもったのである。」  「・・・漢意(からごころ)・仏意(ほとけごころ)・洋意(えびすこころ)に由来する永遠像に触発されるとき、それとの摩擦やきしみを通じて、こうした『古層』は、歴史的因果の認識や変動の力学を発育させる格好の土壌となった。」

1972年の丸山真男が書いたもの。100%の理解は私にはむずかしいですね。
日本人にとってクリスマスなんて、全くの表層の、うわっ面の風習で、ただマスメディア騒いで、お父さんが子供ために、プレゼントを買ってくる口実の日、というふうに連想しました。


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【山好き、旅好きの団塊世代日記】 当ブログは2007/1/29に運営開始いたしました!





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プロフィール

高田 学

Author:高田 学
少年時代は海と戯れ鎌倉育ち、故郷を離れ北海道で学業。その後東京にて工務店経営。
環境(省エネ)には特に詳しい。廃業後自由人。

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