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原子力発電を考える。 高木仁三郎 の本より

原子力産業・研究者の体質  「・・・大きなものは三井(東芝)、三菱、日立です。私は1961年大学卒業後、三井系の日本原子力事業という会社に就職しました。・・・つまりは、会社においては安全思想もなかったと言えます。それで議論なし、批判なし、思想なしというのは、この一例でも徹底していた・・・」 「私たちが見た限りにおいても原子力産業というのは、みずからの社会的な役割や社会的使命に著しく鈍感でした。そういうことについて技術的にきちんとした内部の議論もほとんどないし、相互批判もないし、しっかりしたポリシーも持っていなかった、その意味で無思想であったということは、驚くべきことであります。・・・原子力産業は大事故の責任までとり切れるのかという議論を真剣にせずに、事故が起これば〈国まかせ〉ということで突き進んでしまった歴史があります。」「・・・運命共同体的なものを押し付けられる。・・先ほどの『三ない主義』が一層徹底され、むしろ強制になってきます。しかもその上には国家の原子力委員会とか、原子力安全委員会などがあるという構造に・・・そうなってくると、技術者としての主体性とか、自分の頭でものを考えるというようなことが、まずそもそも要求されません。・・出世上マイナスになるので、むしろ黙っている。」 「パブリック・・その普遍的な意識の欠落が、お粗末な事故を生んでいる根本の原因になっているのではないかということを考えるわけです。」「そもそも日本人は、もともと西洋の科学技術を受け入れたときに、そういう意識が希薄だったように思います。科学技術の客観性ということの中に、最初から自己が抜け落ちてしまって、自己抜きの何か非常に冷たい客観性みたいなものが、あたかも公共性、公益性というように考えられ、それがそのまま企業のプロジェクトに結びついて、与えられた仕事を忠実にやっていればいいというような没個性的な人間をつくってきました。・・・自分のアイデンティティーがなぜ見えないかというと、自分のやっていることの公的な性格や普遍的な意味、少々おおげさな言葉でいえば地球の未来に自分がどうつながっているのかと言うようなことが見えなくなってきてしまっているからです。」「原子力は特殊なんだという意識が植えつけられて、末端のほうでもものを言えない状況になってきます。・・・個人の責任が問われないし、だれの責任かもはっきりしなくなるから、主体的に考えることをしない習慣が身に付いてしまっているのではないでしょうか。」 『原発事故はなぜくりかえすのか』岩波新書より
高木仁三郎の『わが人生にとっての反原発』
「原発は、言うまでも無く、技術的には核兵器と切っても切れない関係にある。・・・原子力のような中央集権型の巨大技術を国家や大企業がひとたび保有するならば、核兵器の保有とは別に、それ自体がエネルギー市場やエネルギー供給管理のうえで、大きな支配力、従って権力を保障する。風力とかバイオマスとか太陽電池などの地域分散型のテクノロジーを軽視しほとんどの政府がまず原子力にとびついたのは、この中央集権性ないし支配力にあったと思う。その底流には、巨大テクノロジーと民主主義はどこまで相容れるかという、現代に普遍的な問題が関係している。  もちろん、原子力には、放射能の生命と生態系への危険性、とりわけ原発の巨大事故のリスクの問題がある。巨大科学技術システムが共通に負っている、決してゼロにはできない破局的事故の可能性、それに絡むヒューマンエラーの可能性の問題が、原子力には凝縮した形で存在している。一度でも起これば、取り返し不可能な影響を全地上の生命に与え得るような事故の可能性に対して、技術によって確率を下げるというだけでは、究極的な安心(心の平和)を人々に与えることはできないだろう。 放射性廃棄物問題は・・現代技術全体に通じることで、・・これらの人工物質は、自然の中で分解させてしまうことができない。・・・原子力は、過ぎ去ろうとする世紀を象徴する遺物的テクノロジーと言えるが、脱原発をはかろうとすれば、当然にも、ライフスタイルの総点検まで含めた現在の右肩上がりのエネルギー・産業政策の根本的問い直しが必要となる。」「原子力は20世紀的な巨大なテクノロジーの一番象徴的なものだろう。それに夢がかけられた時代もあったが、今はその負の遺産をどう克服して21世紀へと向かうかが、世界の主要な関心だろう。」1999年7月著者記 
今逆に原発復活とは、どうかしてますね。権力が欲しい人たちですね、未来を考えないで。





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【山好き、旅好きの団塊世代日記】 当ブログは2007/1/29に運営開始いたしました!





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プロフィール

高田 学

Author:高田 学
少年時代は海と戯れ鎌倉育ち、故郷を離れ北海道で学業。その後東京にて工務店経営。
環境(省エネ)には特に詳しい。廃業後自由人。

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② 時事問題での皆様への問題提起
③ 旅や山行での報告感想  
等で 皆様の役にたてたら良いなと思うブログを書いてまいります。

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