菅新総理の考えと合わずに、政府の税制委員会から追い出されるのでないかと心配です。菅総理、市川房江が泣いてるぜ!という人もいます。守るべき節操は守らなきゃという気がしてしまうのです。
浜教授、頑張ってテレビ等でおっしゃってくれてます「富裕層から増税しなさい、日本の経済は成長しているのに貧しくなっているのが、問題なのよ。法人税を減らすという方針はなんなの?だから経済を成長させるって連呼している菅首相ってなんなの?」
神野教授から見れば、菅総理はまったくあっちの世界の人のようです。庶民からの首相ですが、魂を新自由主義者(経済至上主義者)とそれにつながるアメリカに権力と交換に売り渡してしまっているように感じます。
神野直彦「分かち合いの経済学」岩波新書2010/4 より抜粋
「・・日本も2002年から歴史上経験したことのない長期にわたる『いざなぎを越える景気』を経験する。にもかかわらず、この景気の上昇過程で労働賃金は低下し続け、『生活が苦しい』と答える国民は増加の一途をたどってのである。・・・宇沢弘文東大名誉教授の言葉を借りれば、市場主義の毒を飲み、悪魔に魂を売り渡した新自由主義の唱道者たちは、こうした悲劇の生じることを百も承知していた。多くの人が生活破綻に陥るような悲惨な事態がおこることを承知で、新自由主義的政策を推進したとすればそれは未必の故意である。・・・未必の故意というよりも、歴史的故意犯そのものだ・・・。小泉政権は『改革なくして成長なし』をキャッチフレーズとしていたが、その真意は『失業と飢餓の恐怖なくして成長なし』というものである。・・・日本では人間の絆という人的環境は破壊されてしまっている。・・・共同体にあっては、すべての共同体の構成員が共同体に参加して任務を果たしたいと願っている・・能力を共同体のために発揮したいという欲求を持っている。そういう欲求が充足された時に、人間は自分自身の存在価値を認識し、幸福を実感できるからである。これが『分かち合い』の思想である」 「恐慌に限らず不幸を克服するには、不幸を『分かち合えるか否か』にかかっているといってもいいすぎではない。
『自分さえよければ』、『生き残りをかけた競争に勝たなければ』という脅迫の論理に踊らされれば、危機を克服するどころか、破局の方向へと舵をきることになる・・・」
1973年9月11日、のチリのクーデターでピノチェットは大統領を惨殺しシカゴ学派のフリードマンに経済政策を習い、そしてフリードマンは『チリの奇跡』と賛美した。「こうした野蛮な暴力による後押しで、新自由主義経済政策が世界の表舞台に登場してくる・・」 「・・そうなると国際的に過剰資本が形成される。それはオイルマネーを想起してみれば、容易に理解できる。そうした国際的過剰資本を、アメリカの支配のもとに、自由に動き回らせ、アメリカの覇権を維持することが新自由主義の背後理念だといってよい。」 「サッチャー政権をみると、製造業の生産性を向上させてはいる。・・つまり人件費などのコストを抑制することで、数字上の生産性を上げているにすぎないのである。それは新自由主義者が推進する経済の活性化とは、技術革新による経済活性化でなく、消極的減量経営を推進するにすぎないことを物語っている。新自由主義が称賛する企業とは、技術革新に果敢にチャレンジする企業ではない。容赦なく人間を切り捨てる『無慈悲な企業』なのである」
「・・消費税は富める者に、重い負担を与えることはできないのである。・・・『分かち合い』で生きていく社会であれば、貧しい国民でも負担しあう。租税さえ支払えば、無償の公共サービスで生活を営むことができる。つまり『分かち合い』でいきていくことができる。政府が秩序維持機能しか担わず、自己責任で生きていく社会を目指すのであれば、秩序維持機能の負担は富めるものが負担する。それだからこそアメリカは、所得税・法人税中心の租税制度となっているのである。ところが日本はアメリカと同様に、『分かち合い』の『小さな政府』を目指している。しかし、自己責任で生きていく社会なので、秩序維持機能の費用は、アメリカのように貧しき者は負担しなくてよいとはいわない。自己責任で生きていけという一方で、ヨーロッパを見習い、貧しきものも消費税を負担しろという。しかしヨーロッパは『分かち合い』の社会である。日本では支出では『分かち合い』をせずに、租税で消費税を増税しょうとしても無理である。もしこれを強行すれば、社会統合が破綻することは目にみえている。」
『市場の神話』を説くものは、自己利益という個人的意義だけに目を向けさせようとする。新自由主義者にとっての恐怖は、人間が人間の行為の社会的意義を考えるようになるのではないかという危惧である。人間は孤立した存在でなく、相互に結ばれあっているという真理に気づかれてしまうと、『市場の神話』の魔法が効力をうしなってしまうからである。」
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